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~Meyer NY 5M~マウスピースのこと

ボクが現在使用しているマウスピースは、1970年代初頭に製造されたもので、一般に「ニューヨーク・メイヤー」と呼ばれているものです。

ニューヨーク・モデルとしては後期のものです。この後しばらくして、このニューヨーク・モデルは製造が中止されました。

    Meyer New York 5M
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マウスピース・・・歌口と呼ばれる、サックスの音が発せられる根元です。

altoサックス奏者のひとの多くは、メイヤーの5Mを使用しているのが一般的と思います。

tenorサックスでは、ラバーのメイヤーモデルを使用している人が少ないのです。

ボクが知る限りでは、オットーリンクのメタルを使用する人が多いようです。

逆に、altoサックスではメタルを使用するひとが比較的少ない、と思います。


ボクも、これまで、一般的なメイヤー・ラバーのものや、ボビー・デュコフ、セルマー、オットーリンク、デイブ・ガーデラなどを始め、さまざまなマウスピースを使ってきましたが、自分にはやはりコレが一番合っている、と思っています。

このニューヨーク・メイヤーは、altoサックス奏者なら誰もが欲しがる憧れのマウスピースといっていいでしょう。


それほど、今のメイヤーモデルとは明らかに「音」が違うのです。


どう違うのかというと、音そのものが「重い」、「深い響きが得られる」ということです。


ボクは、海外オークションで入手しましたが、いいバイヤーの方にたまたま出会えたのは幸運といえるでしょう。
素晴らしい状態でした。でも、このような海外オークションは、写真や説明文だけを頼りに購入するのですから、あまりオススメはしかねるところです。


1980年代、ボクが名古屋にいた頃、例の植村楽器さんにしょっちゅうお邪魔して店長さんにいろいろなサックスを試奏させていただいていました。

そのころ、店長が「これで吹いてみやー」と出してきてくださったのが、これと同じ「Meyer New York 5M」だったのでした。

さっそく、お借りし、リードを付け替え吹いてみました。自分の音が見違えるほど定位がハッキリとし、重く響きました。

その当時使っていた楽器本体はセルマーの「Super Action 80」でした。この楽器はピッチや操作性が素晴らしかったのですが、音はふわっと散らばる感じでした。その楽器で試しても、驚くほど鳴りが変わるのです。


こればっかりは、うまく説明しにくいのですが、

1.材質の違い 2.製造方法の違い 

によるものでしょうか?

今のモノは、鋳造で、ラバーを型に流し込み、整形させるのに対し、当時は一本の鍛造ラバーから切り出しをしていた、と言われているのです。

真偽のほどは判りませんが・・・

職人が一本一本手作りで造っていたそうです。ゆえに個体差がかなりあるようです。

ラバーの材質も明らかに今のものとは違い、ゴムの成分が多いような感じです。

これは、毒素のようなものでしょうか、このマウスピースも、ボクの元に届いたとき、強いゴム臭がしました。それで、現在はこの材質を使用していないようです。

つまり、少し健康に害のあるような材質を使用し、工場制手工業で造られたものである、ということでしょう。


現在のMeyerは、まったく別のマウスピースになってしまいました。だから、最近では、カスタムメイドのものが出回ってきて、多くの演奏者に受け入れられてきているのも頷けるところです。

先日も、ボクが信頼を寄せている福永管楽器さんで、いろいろ試奏させていただいたマウスピースにも素晴らしい出来のものもあり、2~3万円で購入できるのなら、選択肢にいれてもイイな・・・なんて思いました。



でも、コレの右にはなかなか出てこないのも、事実なのです。
by kazuo3455 | 2008-11-17 02:03 | ジャズとの出会い

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by kazuo3455