~秋の夜長と“アスペクト・イン・ジャズ”
2008年 10月 09日
ラジオ少年だった頃、FM大阪でしたか、「アスペクト・イン・ジャズ」という番組がありました。
児山紀芳さんやいソノてルヲさんのNHK-FMの「ジャズ・フラッシュ」ともども、ボクにとってはジャズの教科書のような番組でした。
ボクがチャーリー・パーカー(AS)の演奏に初めて出会ったのも、この番組でした。
「リープ・フロッグ」という曲でしたが、ボクはまだほんの駆け出しで、いったい何をやっているのか全くわからず、戸惑ったものでした。
特に、勉強になったのは、スイング・ジャズ時代からモダン・ジャズ時代の過渡期(1942年8月~44年末)に、丁度アメリカではユニオンがレコーディング・ストライキを驚くべき足並みで実行し、この重要な時期のレコーディングがV-Disc(戦地向けの割れにくいビニライト盤)を除いてあまり残っていない、といった事実や、この間にメジャー・レーベルの録音ができないことで、それ以降に様々なマイナーレーベルが発足したことなどをわかりやすい口調でお教え頂いたことなどです。
ボクがジャズ喫茶の「しあんくれーる」(京都)でリクエストしたレスター・ヤング(TS)の「プレス・オン・キーノート」は43年録音で、ちょうどこの時期にあたります。
Keynoteに限らず、Bebop前夜に一部のマイナー・レーベルでレコーディングされた貴重な過渡期のものを、丹念にご紹介されていたのを記憶しています。
V‐Discってこんなのです。ジョー・スタッフォード(VO)の「ベーカリー・ブルース」です。
わざわざ「OUTSIDE START 78rpm」と書いているところが興味深いです。
この当時は放送局向けなど、レコードを傷つけない配慮からか、インサイド・スタートの盤も結構あったのでしょうね・・・
Jo Stafford and her V-Disc Play Boys 「Bakery Blues」(No.573)
この番組は何時から始まったのか・・・よく憶えていないんです。11時ごろからだったように思うのですが・・・
今はいい時代になり、某衛星ラジオで、この番組も聴く事ができるんですものね。
この番組のオープニング・テーマとして使われた、ジェリー・マリガン・セクステット
の「Prelude In E Minor」が懐かしいです。この曲が収録されているアルバムがご存知、「ナイト・ライツ」です。
自分の部屋で、ソニーのスカイセンサーのダイヤルをFM大阪に合わして、番組の始まる時刻がくるのをドキドキしながら待っていると、決まってこの曲が流れ出し、しばらくすると、油井正一さんの暖かい声が聴こえてくるのでした。
Gerry Mulligan 「Night Lights」(Rhilips PHM 200-108 Mono)